2012年09月07日

本事件刑事裁判判決@

第14回口頭弁論(9月26日)が迫ってまいりました。

本訴訟の核心の一つである被告らの組織的活動の実態が、
今後の尋問での被告ら本人や原告当事者の証言から、究明されることになります。
それに先立ち、この場にても(インターネット上の他所で既に公開されています)、
司法による処断が下されている本事件の刑事裁判の判決を、あらためて掲載いたします。

刑事裁判にて認定され処罰対象となった事実に対して、本民事裁判で被告らは自らいったい
どのような主張をするのか。また、刑事裁判からさらに踏み込んで明らかにされる事件の実態・
本質とは何か。こういったことを念頭に、判決を掲載したいと思います。

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<刑事事件 第一審判決(京都地裁)>

威力業務妨害,侮辱,器物損壊,建造物侵入被告事件
京都地方裁判所平成22年(わ)第1257号,平成22年(わ)第1641号
平成23年4月21日第2刑事部判決

       判   決

被告人
氏名 A
年齢 昭和43年○○月○○日生
職業 マンション管理業
弁護人 渡辺★修
被告人
氏名 B
年齢 昭和39年○○月○○日生
職業 飲食店経営
弁護人 鈴木一郎
被告人
氏名 C
年齢 昭和46年○○月○○日生
職業 電気工事業
弁護人 間光洋
被告人
氏名 D
年齢 昭和44年○○月○○日生
職業 無職
弁護人 徳永信一
検察官 上野正晴,梅本大介


       主   文

被告人Aを懲役2年に,同B及び同Cを懲役1年6月に,同Dを懲役1年に処する。
被告人ら4名に対し,この裁判が確定した日から4年間,それぞれその刑の執行を猶予する。


       理   由

(犯罪事実)
第1 被告人4名は,Eらと共謀の上,平成21年12月4日午後1時ころから約46分間にわたって,学校法人a学園が設置する京都市<以下略>b学校南側路上及び同区<以下略>α橋公園において,被告人ら11名が集合し,日本国旗や「在日特権を許さない市民の会」及び「主権回復を目指す会」などと書かれた各のぼり旗を掲げ,同校校長FことGらに向かってこもごも怒声を張り上げ,拡声器を用いるなどして,「日本人を拉致したc傘下,朝鮮学校,こんなもんは学校でない。」「都市公園法,京都市公園条例に違反して50年あまり,朝鮮学校はサッカーゴール,朝礼台,スピーカーなどなどなどのものを不法に設置している。こんなことは許すことできない。」「北朝鮮のスパイ養成機関,朝鮮学校を日本から叩き出せ。」「門を開けてくれて,設置したもんを運び届けたら我々は帰るんだよ。そもそもこの学校の土地も不法占拠なんですよ。」「戦争中,男手がいないところ,女の人レイプして虐殺して奪ったのがこの土地。」「ろくでなしの朝鮮学校を日本から叩き出せ。なめとったらあかんぞ。叩き出せ。」「わしらはね,今までの団体のように甘くないぞ。」「早く門を開けろ。」「戦後。焼け野原になった日本人につけ込んで,民族学校,民族教育闘争ですか。こういった形で,至る所で土地の収奪が行われている。」「日本から出て行け。何が子供じゃ,こんなもん,お前,スパイの子供やないか。」「朝鮮ヤクザ。」「不法占拠したとこやないかここは。」「お前らがな,日本人ぶち殺してここの土地奪ったんやないか。」「約束というものは人間同士がするものなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません。」などと怒号し、同公園内に置かれていた朝礼台を校門前に移動させて門扉に打ち当て,同公園内に置かれていたサッカーゴールを倒すなどして,これらの引き取りを執拗に要求して喧噪を生じさせ,もって威力を用いて同校の業務を妨害するとともに,公然と同校及び前記学校法人a学園を侮辱し
第2 被告人Cは,同日午後1時過ぎころ,前記α橋公園内において,前記学校法人a学園が所有管理するスピーカー及びコントロールパネルをつなぐ配線コード(損害額約1540円相当)をニッパーで切断して損壊し
第3 被告人A,同B及び同Cは,H,J及びKらと共謀の上,あしなが育英会等に寄付するとして集められた募金の中からd組合が学校法人e学校に支援金を渡したとして糾弾するなどして同組合の正常な業務を妨害する目的で,平成22年4月14日午後1時15分ころ,同組合委員長L看守に係る徳島市<以下略>f会館2階同組合事務所内に,「gの正体,反日教育で日本の子供たちから自尊心を奪い,異常な性教育で日本の子供たちを蝕む変態集団,それがg」などと記した横断幕,日章旗,拡声器等を携帯して,「詐欺罪。」などと怒号しながら侵入した上,そのころから同日午後1時28分ころまでの間,約13分間にわたり,同事務所において,同組合の業務に係る事務をしていた同組合書記長M(当時58歳)及び同組合書記N(当時44歳)の2名を取り囲み,同人らに対し,前記横断幕,日章旗を掲げながら,拡声器を用いるなどして,「詐欺罪じゃ。」「朝鮮の犬。」「売国奴読め,売国奴。」「国賊。」「かわいそうな子供助けよう言うて金集めてね,朝鮮に150万送っとんねん。」「募金詐欺,募金詐欺じゃ,こら。」「非国民。」「死刑や,死刑。」「腹切れ,お前,こら。」「腹切れ,国賊。」などと怒号し,「人と話をするときくらいは電話は置き。」「置けや。」などと言いながら前記Mの両腕や手首をつかむなどして同人が110番通報中であった電話の受話器を取上げて同通話を切った上,同人の右肩を突き,「cとgの癒着,許さないぞ。」「政治活動をするgを日本から叩き出せ。」などとシュプレヒコールするなどした上,机上の書類等を放り投げ,拡声器でサイレン音を吹鳴させるなどし,前記事務所内を喧噪状態に陥れて同組合の正常な業務を不能ならしめ,もって同事務所に正当な理由がないのに侵入した上,威力を用いて同組合の業務を妨害した。
(証拠の標目)《略》
(弁護人の主張に対する判断)
第1 憲法違反の主張について
 弁護人らは,侮辱罪の規定は明確性の原則に反して違憲であり,仮にそうでないとしてもこれを政治的言動に対して適用することは違憲である旨主張する。しかし,侮辱罪の構成要件は明確であるから,これが憲法に違反するものでないことは明らかであり,政治的目的を有することの一事をもって公然と人を侮辱する行為がすべて許されることになるわけではないから,弁護人らの前記主張はいずれも採用できない。 
第2 犯罪の成否について
1 判示第1の行為について,弁護人らは,相当な目的による相当な態様の抗議活動であり,法益侵害の程度が低いものであるから,正当な政治的表現行為として違法性がないなどと主張する。しかし,その行為は,b学校の校門前において,被告人ら11名が集合し,約46分間にわたって拡声器を使うなどして被害者らに対する侮蔑的な言辞を大音量で怒号した上,被害者らの所有物を移動させてその引取りを執拗に要求するなどの実力行使に及んで喧噪を生じさせたものであり,許容される余地のない態様のものである。なお,侮辱罪に関して,被告人Dの弁護人は,本件学校はその被害者となり得ないなどと主張するが,社会において統一的な意思の下に行動する団体である同学校の名誉は,その運営主体である学校法人の名誉とは別に保護に値するから,その主張には理由がなく,本件が侮辱罪を構成し,被告人Dがその責任を負うべきことは当然である。
 判示第2の行為について,被告人Cの弁護人は,政治的表現行為の一環である上,危険な状況を解消する必要性及び緊急性があった旨主張するが,本件器物損壊行為を正当な政治的表現とみる余地はなく,また,関係証拠によっても,配線コードの切断が公園利用者の危険除去のために緊急に必要であったことはうかがわれない。
 判示第3の行為について,弁護人らは,正当な政治的抗議であり,建造物への侵入はしていないし,業務妨害行為も存在せず,又は違法性がないなどと主張する。しかし,その行為は,狭隘な事務所に16名の者が押し入って職員2名を取り囲んだ上,約13分間にわたって拡声器を用いて大音量で怒号するなどし,被害者の腕や手首をつかんだり右肩を突き,机上の資料を放り投げたりサイレンを鳴らすなどしたものであって,許容される余地のない態様のものであり,このような態様による抗議への対処が組合業務の一環であるなどとは到底いうことはできず,事務所への立入りが承諾されたと考える余地はない。このことは,前記事務所が所在する建物の受付において立入りを制止されなかったこと等の弁護人らが主張する事情があっても変わるところはない。
2 以上のとおり,被告人らの判示各行為は,いずれも正当な政治的表現の限度を逸脱した違法なものであると認められ,そのことは臨場した警察官が制止措置を講じなかったといった事情を考慮しても変わるところはなく,故意や違法性の意識及び可罰的違法性の主張等の点も含め弁護人らの主張はいずれも採用できない。
(法令の適用)
罰条
 判示第1の行為(被告人4名) 刑法60条,234条,233条(威力業務妨害罪の点)
                刑法60条,231条(侮辱罪の点)
 判示第2の行為(被告人C) 刑法261条
 判示第3の行為(被告人P,同B,同C) 刑法60条,130条前段(建造物侵入罪の点)
                     刑法60条,234条,233条(威力業務妨害罪の点)
科刑上一罪の処理 判示第1につき刑法54条1項前段,10条(重い威力業務妨害罪の刑で処断。)
         判示第3につき刑法54条1項後段,10条(犯情の重い威力業務妨害罪の刑で処断。)
刑種の選択 いずれも懲役刑を選択
併合罪加重 刑法45条前段,47条本文,10条(被告人A及び同Bにつき犯情の重い,被告人Cにつき犯情の最も重い,判示第3の罪の刑に法定の加重。)
刑の執行猶予 いずれも刑法25条1項
(量刑の理由)
1 判示第1及び第2の犯行は,被告人らが,在日朝鮮人の特権廃止を目的に掲げる団体の活動として,同団体の構成員ら総勢11名で,のぼり旗を立てるなどして多数の威力を示し,多数の児童がいる朝鮮学校付近において,判示のとおり,拡声器を使って侮辱的言辞を繰り返し怒号し,サッカーゴールを倒したり朝礼台を動かして執拗に引取りを求めたりし,配線コードを切断するなど,強い威力を用いて周囲に喧噪を生じさせたものであり,その犯行態様は悪質である。これらの行為は,本件学校に多数の児童が在校していることを認識しながら行われたことが明らかであり,不穏当な行為というほかなく,それによって本件学校の授業が妨害された結果も重大である。判示第3の犯行は,狭隘な事務室に16人で侵入し,横断幕等を示すなどして多数の威力を示し,2名の女性職員に対し,判示のとおり,拡声器等を用いて大音量で一方的に罵詈雑言を浴びせた上,職員の手首や腕をつかんだり机上の資料を放り投げるなどの実力行使にまで及んだものであり,その態様は悪質である。それにより,被害者らの業務が現実に妨害されたのみならず,被害者がその間に抱いた恐怖心や屈辱感は大きいものとうかがわれ,その結果にも重いものがあり,被害者が強い被害感情を示しているのはもっともである。そうであるのに,被告人らは,公判廷でも本件各行為は正当であったと述べるなど反省が見られない。
2 被告人Aは,各犯行の計画を立案し,参加者を募った上で,判示第1及び第3の犯行においてリーダーとして共犯者らの行動を主導し,自ら拡声器を使った怒号を繰り返しており,首謀者としての責任は重い。被告人Bは,各犯行に計画段階から関与し,判示第1及び第3の犯行において積極的に怒号したほか,判示第3の犯行では被害者の腕をつかんだり肩を突くなどして重要な役割を果たしたものである。被告人Cは,各犯行に積極的に関与した上,判示第2の器物損壊行為をしたものであって,その役割は大きい。被告人Dは,判示第1の犯行において,自ら拡声器で侮辱文言を怒号し,朝礼台を運搬するなどしたものであり,その役割は小さくない。
3 他方,被告人4名にはいずれも見るべき前科がなく,公判請求を受けるのは初めてであること,被告人らはいずれも本件が違法とされればその活動手法を改める旨述べていることは,被告人らの刑事責任を軽くする事情である。
4 以上の諸情状を考慮し,被告人4名については,その責任に応じて主文の刑に処した上,今回はその執行を猶予することとする。
(求刑 被告人Aにつき懲役2年,同B及び同Cにつき懲役1年6月,同Dにつき懲役1年)
平成23年4月21日
京都地方裁判所第2刑事部
裁判長裁判官 笹野明義 裁判官 江見健一 裁判官 前田芳人

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posted by こるむ at 00:00| 裁判資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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