2012年05月08日

第12回口頭弁論(4月25日)原告弁護団冒頭陳述@


4月25日に開かれました口頭弁論での、原告弁護団による冒頭陳述2つを
掲載致します。この裁判が訴えている問題や意義の本質が力強くこめられて
おります。ご一読のうえ、ぜひともより多くの方々へと広げて頂けたらと
思います。

***************************************
原告・冒頭陳述

原告が、証人等により証明しようとする事実は以下のとおりである。
1 被告ら本人及び代表者尋問により証明する事実(悪質性)
被告らの本人尋問及び被告代表者である証人■の尋問により、立証すべき事実は以下のとおりである。

 被告らは、平成21年12月4日、平成22年1月14日、平成22年3月28日の3回にわたり、朝鮮第一初級学校の近辺に押し掛け、違法な街宣活動を行った。
 平成22年12月4日は、学校の門前で大音響でのヘイトスピーチを行って、著しい恐怖感と不安を子どもたちに与えた。この街宣は、かねてより、朝鮮民族への差別意識を発露する機会をうかがっていた被告らにおいて、公園の使用に問題があるとの一通のメールが送られてきたことを奇貨として、これを口実に、ヘイトスピーチを行う目的で実行されたものである。
 真に公園の使用に関する問題提起を行うためであったならば、当然、事前に事実関係を調査したり、行政代執行や学校との穏便な交渉等の代替手段を検討すべきところである。しかし、被告らの真の目的は、
 ・動画配信を通じて一般視聴者の関心をひくこと、
 ・差別意識を拡散させ自らの団体への賛同者を獲得しようとするところ
にあった。この目的を果たすためには、あえて大きな騒動を引き起こして動画に収める必要があった。だからこそ被告らは、意図的に、子どもたちへの悪影響も顧みず、あえて聞くに堪えない過激な街宣とすることで原告関係者を挑発し、騒動が起きているような動画を収録できるような状況を作出しているのである。
 その結果、街宣内容は「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「北朝鮮のスパイ養成機関」など、公園の使用問題とかけ離れたものとなった。他の街宣活動と同様に、被告らの活動においては動画の撮影及び配信が極めて重要な役割を占めており、他の被告らとの共謀のもと、その役割を担っていたのは被告■であった。

 被告らの行動原理は人種差別によるものであって、本件街宣を含め、彼らが全国各地の街宣において訴えてきたことは民族差別意識の現れそのものである。表現の自由の行使として許されうるものでは到底ない。
 本件各街宣は、被告在特会と被告主権回復のこうした差別拡散・差別扇動活動の「事業の執行」として行われたものであり、参加者に対する指揮命令も機能していた。これらの街宣のうち、12月及び1月の行為は平日に予定され、被告らは授業に支障が生じることを十分に認識しながら街宣を決行したものである。3月28日の街宣行為については、これに先立つ街宣行為差止仮処分が発令されていて、被告らも認識していたにもかかわらず、これをあえて無視するという悪質性も見られた。
 被告らによる学校周辺での大音響を伴う街宣活動等の嫌がらせは執拗なもので、今日においても被告らが本件学校を街宣活動の標的と位置づけていることから、再発の蓋然性は極めて高い。今後もヘイトスピーチ街宣が繰り返されるような事態となれば、原告による民族教育実施権を内容とする人格権が修復困難な程度にまで害されることは必至である。他方で、あえて被告らに当該学校周辺において差別扇動な街宣活動等を認める実益はなく、こうした街宣に対する差止めによって民族教育事業を保護する必要がある。

2 原告関係者により証明すべき事実
  (民族教育の重要性及び本件各街宣により受けた損害の本質)

 原告側関係者の尋問を通して、原告の実施してきた民族教育の重要性、及び、本件各街宣により深刻な障害が生じたことを証明する。

 (1) 民族教育の重要性について
 民族教育は、一般に、民族アイデンティティの涵養として重要な意義を有しているが、日本社会における通常の学校では、マイノリティである在日朝鮮人に対して、その出自や歴史にも配慮された十分な民族教育が提供されているとは言いがたい現状がある。このため、本件学校を含めた朝鮮学校は、ここに通学する在日コリアン児童にとって、自らの民族的出自について隠したり劣等感を感じたりすることなく、心から安心できる貴重な教育環境を提供している。そこでは、同じ出自をもち同じ悩みや苦しみを共有できる子どもが集い、指導する教職員らも同じ民族性を共有していて、ありのままの自分を出すことができる。社会の目を気にすることなく、自己の人格形成に専念でき、保護者もまた、朝鮮学校でのびのびと学ぶわが子の姿に勇気をもらう場である。
 原告の民族教育事業は、今日の日本社会において、子どもたちの民族教育を受ける権利を実質化するためには極めて重要な役割を果たしており、手厚い法的保護のもとに置かれるべきものである。

 これらの事実については、証人■という教員の視点、朝鮮学校に子供を通わせるアボジ(父)である証人■、オモニ(母)である証人■の父母の視点、それぞれの観点から立証する。
 まず、証人■は、本件各街宣当時、本件学校の教務主任であり対応にあたった。自らも朝鮮学校を卒業し、朝鮮学校において教育の実践にあたってきた証人■の証言を通して、民族教育の重要性、とりわけ幼少時に民族的アイデンティティを涵養することが、日本社会において朝鮮民族として生きて行く上で極めて重要な意義を有していることについて立証する。
 次に、証人■は、自身が日本の学校に通っていた経験から、民族的アイデンティティ教育の重要性について実感し、自らの子供らを朝鮮学校に通わせて朝鮮学校の中で民族的自尊心をはぐくんでいく過程を間近に見てきた。こうした同証人の観察に基づく証言からも、民族教育の重要性を明らかにする。
 さらに、証人■は、差別体験を受けながらも、朝鮮学校に通うことによってこれを克服してきた自己の体験もあって、子供2人を朝鮮学校に通わせながら子育てをしてきた。同時に、本件学校のオモニ会の会長を務めるなどしながら、本件学校子ども・父母・教職員からなるコミュニティの中心人物の一人として、同じ悩みを持つ他の母親たちのよき相談者の役割も担ってきた。こうした経験から民族教育の本質について考察を深めてきた証人■の証言を通じて、朝鮮人としての自尊心を備えた子どもを育てることの重要性とこれに伴う困難さ、及び、本件学校がこうした困難さに立ち向かう親子にとっていかに重要な役割を果たしてきたのかについて、明らかにする。
 最後に、専門家証人板垣竜太氏により、民族教育が現在の日本において果たす役割について専門家の見地から明らかにする。

 (2) 損害の重大性
 次に、損害の重大性を基礎づける事情として証明を予定する事実は以下のとおりである。
 被告らは、虚偽の事実や偏見を折り込みながら学校や朝鮮民族らに対する誹謗中傷を繰り返し、成長過程にあり繊細な児童らの民族自尊心を深く傷つけ、深刻な悪影響を及ぼした。これは、原告の長年の民族教育の実践により得られた教育効果を、その根本から揺るがすような重大な妨害行為である。これに加え、今日に至るまで長期間にわたり、被告らや、被告らの動画に触発された不審者からの嫌がらせなどの懸念から、安全に対する不安を抱き続けざるを得ない状況に置かれている。被告らの行為により、理不尽な攻撃の標的にされる理由が自らの人種・民族にあるのだと、子どもたちが誤認しかねないような状況が作出されているといえる。被告らに反省がなく、挑発的な差別言動が今日においても続いていることによって、こうした状況が継続しているところ、これは原告がその存在意義をかけて実践してきた教育理念の前提を揺るがし、今後の児童らの民族的自尊心の形成を阻害する要因となっている。
 今日に至るまでの間、このような悪影響を一定の限度に留めることができているのは、教員、両親を含め、原告関係者らが多大な犠牲を払って、子どもたちの安全確保と、民族的自尊心の維持のために献身的な努力をしてきたからである。こうした事情も無形損害の評価要素として重視されねばならない。

 証人■、証人■及び証人■は、平成21年12月4日、本件学校の事件現場におり、被告ら街宣を身をもって体験し、その後の子どもたちへの影響も間近に見てきた。子供たちの安全対策のために、教員、アボジ会、オモニ会は、緊急の会議で協議を重ね、教員や父母は、学校に不審者が近寄らないように、通学路の警備、登下校時の見守りを行ってきた。こうした活動を中心となって支えながら、多数の関係者を巻き込んだ甚大な犠牲のもとで本件学校の安全が維持されてきた実情を間近に見てきたのがこれら三人の証人である。これらの事実について、これら証人の詳細な証言により立証を行う。

 そのほか、各証人により立証すべき事実経過には、以下の事情も含まれる。
 被告らは、平成22年1月7日、再度街宣を行うという予告をホームページに掲載した。これを受け、証人らを含めた学校関係者は緊急に対応を協議し、予告された14日当日は、課外授業の手配等をすることを決めた。この対応は、ヘイトスピーチに屈して学校を明け渡すかのような印象を与えかねず、民族的自尊心の醸成への悪影響も懸念されたが、それよりも子供たちの心身の安全を重視しての苦渋の判断であった。このため、その後の子どもたちの不安や懸念への対応にも心を砕かざるを得なかった。
 さらに、平成22年3月、京都地方裁判所で街宣行為等禁止の仮処分を無視して三度目の街宣が行われた。被告らは仮処分にも反して街宣行為を行い、裁判所による命令すら無視する態度を見せて、関係者や児童らをさらなる不安に陥れたものである。街宣は、本件学校から100メートル地点まで迫った。

 被告らのこうした行為により、本件学校における安全感、安心感は大きく損なわれ、原告らの民族教育事業は甚大な損害を受け続けてきたものである。
 このような深刻な状況のなか、日本社会の良心の象徴たるべき司法機関が、毅然とした態度で、被告らの行為の悪質性の本質を明らかにすること、原告の教育事業が侵害行為に対して手厚い法的保護のもとに置かれるべきことを宣言することには大きな意義があり、そうすることが裁判所の責務である。
 本件審理に照らしていえば、それは損害賠償請求における十分な無形損害の認定であり、子どもたちの安全に対する脅威に対し、差止めを認容することである。
                                               以上

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2011年11月24日

原告提出訴状B(最終)


 4 原告が被った損害
   被告らによる平成21年12月4日の街宣活動、翌年1月14日の街宣活動、同年3月28日
  の街宣活動によって、それぞれ原告は有形無形の甚大な損害を被っている。これらの損害は金銭
  で償えるものではないが、これを金銭的に評価すると、街宣活動ごとに、それぞれ少なくとも金
  1000万円を下らない。
 5 人格権に基づく差し止め請求権
  (1) 原告の人格権
    原告は学校法人であり、民族教育事業を行うこと目的としており、その範囲内で人格権を有
   する。
    具体的には、原告は人格権として平穏な環境で民族教育事業を実施する権利を享有するもの
   といえる。この権利は、子どもの学習権を具現化するために欠くことのできない権利であり、
   子どもの学習権の重要性に鑑みれば、平穏な環境で民族教育事業を実施する権利自体も極めて
   重要な権利であると評価することができる。特に、日本国内で在日朝鮮、韓国人等の民族教育
   を行う教育機関は限られており、原告の平穏な環境で民族教育事業を実施する権利が侵害され
   ると、京都府下の在日コリアンの子どもたちが民族教育を受ける機会は事実上永久に奪われる
   ことにもなりかねない。その意味で原告の平穏な環境で民族教育事業を実施する権利は特段の
   重要性を帯びるものというべきである。
  (2) 人格権の侵害
    本訴状第2の3記載の被告らの行為は、いずれも、第一初級学校において児童に民族教育を
   施すために必要な平穏な環境を奪うものである。
    それだけでなく、被告らの街宣活動等は、悪意に満ちた極めて攻撃的な文言を用いて、かつ
   暴力的な態様で行われるため、原告の教職員がその監視や下校する児童の見守り等に当たらね
   ばならず、原告の民族教育事業の遂行に物理的困難をも与える。
  (3) 被告らによる今後の原告の人格権侵害のおそれ
    被告らは、既に平成21年12月4日、翌22年1月14日及び3月28日の3回に亘って
   第一初級学校に対して攻撃的行動を仕掛けており、その後においても被告らの関係者がたびた
   び第一初級学校周辺をうろつき、同校の周辺や敷地内の様子を伺う姿が確認されている。特
   に、前述の通り、平成22年3月28日に実施された街宣活動は、同年3月24日付で被告在
   特会、被告A、被告Bによる街宣禁止等を定める仮処分決定が発令されたことを、ことさらに
   無視して行われたものである。そして、被告在特会の代表者である桜井誠は、当該仮処分決定
   を受けてなお、「反日教育を推進する犯罪者の巣窟、子どもの未来を奪う児童虐待を継続して
   行っている朝鮮学校を一日も早く消滅させるため、在特会はこれからもまい進して参りま
   す。」と、ブログ上で宣言している(甲7)。
    また、平成22年2月10日には、京都弁護士会 が発表した平成21年12月4日の被
   告在特会らによる上記街宣活動を批難する「朝鮮学校に対する嫌がらせに関する会長声明」に
   対して、被告B、被告A、被告D、被告Eらは京都弁護士会館前に集まり、「京都市弁護士会
   会長村上豊昭は土下座せよ」(原文ママ)などと書かれた横断幕を持ち、拡声器を用いて京都
   弁護士会と原告を誹謗中傷する過激な街宣活動を行っている。
    さらに、平成22年6月3日には、被告A、被告D、被告E、被告Cらは、本件訴訟並びに
   関係事件に関連して被告Aの戸籍謄本を、原告代理人に対して交付した右京区役所に対して、
   街宣活動をかけ、拡声器を用いて大音量で「ほんまにな、これ以上やったらな、俺もな、…す
   る仕事16年やっとったからな、徹底的に個人の家調べてチョメチョメするかもしれんど、ほ
   んまに。覚えとけよ。」「バカタレが、コラ、アホ。」「また来るぞ、右京区役所。きっちり
   けじめつけたるからな。覚えとけよ。」等と述べている。
    さらに、被告らがこれら以外にも、在日コリアン社会に対して、執拗な攻撃行動をとり続け
   ていることは、後記第3の関連事実記載の通りである。
    以上のような状況に鑑みれば、今後も被告らの街宣活動等によって、人格権侵害が成される
   おそれは十二分に認められるところである。

第3 関連事情
 1 被告らによる在日コリアン社会への攻撃
   以下のとおり、被告在特会及び主権回復を目指す会(被告B)の構成員による在日朝鮮人への
  常軌を逸した街宣活動等の攻撃行動は、執拗に繰り返されている。平成22年に入ってから京都
  で行われたものだけをピックアップしても、以下のとおり10件にも上る。
  ア 1月14日 第一初級学校付近(前出)
  イ 1月16日 ひと・まち交流館前(河原町五条下る)
    参加者:被告E、被告F、被告D
  ウ 2月10日 京都弁護士会館前(前出)
  エ 3月6日 京都コリアン生活センター(通称エルファ 在日コリアンのための高齢者施設)
    参加者:被告A、被告E、被告D、被告F、被告H
  オ 3月9日 朝鮮総連京都府本部(予告なしに行われた)
    参加者:被告A、被告E、被告F、被告D、被告H
  カ 3月19日 洛南ショッピングセンタージャスコ前
    参加者:被告A、被告F
  キ 3月28日 第一初級学校付近(前出)
  ク 3月28日 四条河原町付近
    参加者:被告D、被告H
  ケ 5月2日 京都市役所前〜円山公園
    参加者:被告A、被告E、被告D、被告H
  コ 6月3日 右京区役所前(前出)
  サ なお、被告在特会・主権回復を目指す会(被告B)の構成員ないし支援者らは、京都以外の
   地でも常軌を逸した街宣活動等を繰り返している。特に、平成22年4月14日に徳島県教育
   会館を突然襲撃した際の悪質さは際だっており、同日の参加者ら8名(被告A、被告D、被告
   Eを含む)は突然建物内部に侵入し、対応した職員の耳のすぐ前で、拡声器を用いて怒号・脅
   迫を繰り返し、110番通報しようとした職員の手から無理矢理電話機を取り上げるなどの暴
   行を働いた。参加者の怒号や脅迫は、警官隊が到着した後も止まなかった。同日の参加者8名
   は、建造物侵入罪・威力業務妨害罪等の被疑事実で告訴されてい
   る。

第4 本件事件の社会的影響
   本件事件における被告らの街宣活動等は、市民運動名下に社会から在日コリアンという少数者
  に対し、公然と差別的言動による嫌がらせを加え、これを排撃しようとする排外主義的活動であ
  る。在日コリアンや在日中国人等に対するこのような攻撃は、昨今、日本国内に蔓延しつつあ
  る。本件事件はその代表格で、国会でも問題視され取り上げられるに至っている。
   一方で、昨今の国際情勢や社会情勢を受けてか、インターネットの世界では、被告らの活動を
  支持する旨のコメントが多数つけられている。被告Hなどがアップロードする街宣動画が映し出
  す、被告らが大音量で原告を誹謗・中傷するシーンに対して、これを支持し、扇動する大量のコ
  メントがつけられているのである。これらのコメントのうち相当数は被告らまたはその関係者に
  よるものの思われるが、そうでない者によるコメントもまた、相当数あるであろうことは看過で
  きないところである。また、被告在特会はそのホームページ上の発表によると、その会員数を9
  000名にまで伸ばし、本件事件を起こしてからも勢力を拡大し続けている様子である。
   子どもや少数民族といった社会的弱者を誹謗中傷し、これを社会から排撃しようとする、違法
  かつ非人道的な被告らの街宣活動が、一種のカタルシスをもたらすものとして社会に受け容れら
  れようとしているものとも思える。このような現象は、現代において前例のない病理的現象であ
  る。
   被告らの街宣活動の違法性は明らかであり、その責任は今、徹底して明らかにされるべき必要
  がある。言論活動名下に行われているからといって、決して放置されることがあってはならな
  い。放置すれば、被告らの活動に代表される病理的現象は瞬く間に蔓延してゆき、少数者の人権
  が顧慮されない社会を招くことになるのではなかろうか。
   そのような社会においては、少数者の自己実現手段の一つである、原告による在日コリアンに
  対する民族教育事業は、消滅を余儀なくされる。
   このような状況下において、少数者の人権保障最後の砦たる司法が担うべき責任は、極めて重
  い。原告は裁判所に対して、在日コリアンという少数者に対する社会のあるべき姿を問うもので
  ある。

第5 よって、原告は、請求の趣旨記載の判決を求めるものである。
                                   以 上
               証 拠 方 法

甲1      会則(在日特権を許さない市民の会)
甲2      趣旨挨拶文(主権回復を目指す会)
甲3      新聞記事
甲4      動画DVD(平成21年12月4日分)
甲5      動画DVD(平成22年1月14日分)
甲6      動画DVD(平成22年3月28日分)
甲7      桜井誠(在特会代表者)の運営ブログ(平成22年3月28日の 街宣活動に関す
        る記事)



               添 付 資 料
         1 訴状副本         10通
         2 甲号証写し       各11通
         3 資格証明書         1通
         4 委任状           1通

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2011年11月15日

原告提出訴状A(@からの続き)

 2 事案の概要
   被告在特会や被告Bをはじめとした被告らは、平成21年12月4日を皮切りに、平成22年
  1月14日、同年3月28日と連続的に、原告に対して、拡声器や街宣車を用いて、誹謗中傷を
  交えた街宣活動を行った。また、これらの街宣活動と関連して、被告らは京都弁護士会、京都コ
  リアン生活センター(通称エルファ)、右京区役所などにも、原告を攻撃する趣旨を含む同種の
  街宣活動を仕掛けている。
   そして、被告らはこれらの街宣活動を行う時には、インターネット上で予告記事と街宣活動の
  動画をアップロードして、原告に対する違法な街宣活動を扇動すると共に、その影響力を拡大し
  続けている。
   被告らの街宣活動等によって、第一初級学校に通学する子どもたちはおびえ、原告の在日コリ
  アンに対する民族教育事業が大いに妨害される結果に至っている。
   かかる事態を放置すれば、第一初級学校に通学する子どもたちに回復不能な悪影響が生じるば
  かりか、在日コリアンの保護者が我が子を原告に入学させることを忌避するようになり、京都府
  下、ひいては日本国内での在日コリアンに対する民族教育は途絶、消滅する事態にも至りかねな
  い。
   本件事件は、このような状況に鑑み、原告が被告らから受けた損害を回復すると共に、今後二
  度と被告らの活動によって、原告への違法・不当な攻撃がなされることのないようにし、もっ
  て、京都府下、日本国内における在日コリアンに対する民族教育を確保せんとするものである。
 3 事実関係
  (1) 平成21年12月4日の被告らの行為
   ア 予告
     平成21年11月19日、被告らかその関係者により、インターネット上の動画共有サイ
    ト「YouTube」に、「京都朝鮮学校が児童公園を不法占拠【主権関西/在特会関
    西】」と題する動画がアップロードされた。
     この動画は、第一初級学校及びその南側に位置する勧進橋児童公園を撮影したもので、第
    一初級学校の児童の後姿も映し出されていた。この動画の中で被告Aは、「これは叩き出し
    ましょうね近いうちに。12月初旬に叩き出して。」と発言していた。
     この動画のキャプションには、第一初級学校及びその父母らを嘲笑し、非難する文言に加
    え、「上記の情報(原告注:第一初級学校が勧進橋児童公園を授業に使用していたことをも
    って「不法占拠」だとする情報)を被告在特会会員が教えてくれ裏を取りに公園に行ってみ
    たが情報に間違いはなかった。朝鮮に弱い京都市も珍しく朝鮮学校側と揉めているという事
    でした。尚24日に京都市緑地管理と話をする予定です。12月○日に突撃します(笑)後期
    待ください!」(原文ママ)という記載があった。
     すなわち、後述する平成21年12月4日の、被告らの第一初級学校に対する行動は、同
    年11月19日までに計画、予告されていたものと思われる。
   イ 当日の街宣活動
    (ア) 平成21年12月4日の街宣活動に参加した被告及びその特徴:
      被告A(最も長時間拡声器で発言)
      被告D(サングラス、ヘルメット、スピーカー取外しの実行者)
      被告F(作業着、一部拡声器でスピーチ)
      被告E(白のコート)
      被告H(動画撮影者)
      また、街宣活動の際には「在日特権を許さない市民の会」、「主権回復を目指す会」と
     書かれた幟がそれぞれ立てられており、被告在特会と被告B(主権回復を目指す会)がそ
     れぞれ街宣活動を行っている、または第三者をして街宣活動に参加させているものと評価
     できる。被告在特会のホームページには、この日の街宣活動について「主権回復を目指す
     会・関西支部との合作」と表現されている。
      なお、以下、12月4日の記載において「被告ら」という場合は、上記5名ほか当日の
     街宣活動への参加者をさす。
    (イ) 平成21年12月4日、第一初級学校では、以下の通り、通常通りの授業その他の学校
     活動を行っていた。
      幼稚班は、同日午後、宝ヶ池においてサッカー学習を行っており、第一初級学校にいな
     かった。
      1年生と2年生は、12時35分に4限目の授業を終了した。その後、昼食をとり、1
     時15分から2時30分まで、担当教員の指導の下で学級活動を行う予定であった。
      3年生は、1時15分より、学校長による理科の授業を受講する予定であった。
      4、5、6年生は、3階の講堂において、午前10時30分から午後1時30分まで、
     京都朝鮮第二初級学校、京都朝鮮第三初級学校及び滋賀朝鮮初級学校の児童と交流会を行
     っていた。
    (ウ) 被告らは、同日午後1時ころに第一初級学校の南側校門前の公道及びその公道を隔てた
     向かい側にある勧進橋児童公園に集結した。
      被告らは、同日午後1時ころから午後2時ころにかけて、勧進橋児童公園に第一初級学
     校が設置していたスピーカーの電源コードを断線する等して損壊し、児童が体育の授業で
     使用していたサッカーゴールや朝礼台等を「返しに来た」などと称して第一初級学校南門
     まで移動させた。
      これに前後して、被告らは、第一初級学校の南側において、第一初級学校の敷地に向か
     って、拡声器を用い、あるいは大声で、「我々は勧進橋児童公園を京都市民に取り戻す市
     民の会でございます。」、「主権回復を目指す会及び在特会関西の有志でございま
     す。」、「(第一初級学校は)公園を50年も不法占拠している。」、「日本国民が公園
     を使えない。」、「この学校の土地も不法占拠だ。」、「我々の先祖の土地を奪った。戦
     争中、男手がいないとこから、女の人をレイプして奪ったのがこの土地。」、「戦後焼け
     野原になった日本人につけこんで、民族学校、民族教育闘争、こういった形で、至るとこ
     ろ、至る日本中、至るとことで土地の収奪が行われている。」、「日本の先祖からの土地
     を返せ。」、「これはね、侵略行為なんですよ、北朝鮮による。」、「ここは北朝鮮のス
     パイ養成機関。」、「スパイの子ども。」、「犯罪者に教育された子ども。」、「ここは
     横田めぐみさんをはじめ、日本人を拉致した朝鮮総連。」、「朝鮮やくざ。」、「こいつ
     ら密入国の子孫。」、「朝鮮学校を日本からたたき出せ。」、「出て行け。」、「朝鮮学
     校、こんなものはぶっ壊せ。」、「なにがこどもじゃ、スパイのこどもやんけ。」「キム
     チクサイで。」、「約束というのはね、人間同士がするもんなんですよ。人間と朝鮮人で
     は約束は成立しません。」、「日本に住ましてやってんねや。な。法律守れ。」、「端の
     ほう歩いとったらええんや、はじめから。」、「我々は今までみたいな団体みたいに甘う
     ないぞ。」、「この門を開けろ、こらぁ。」などと、約1時間にわたって、怒号のような
     街宣活動ないしシュプレヒコールを行った。
      同日の被告らの街宣活動の具体的な様子は、甲4号証の通りである。被告らの行動が始
     まるまでは、第一初級学校の児童たちは、前述のとおり通常通りの学校の授業、行事など
     を行っていたが、前述の被告らの過激な街宣活動やシュプレヒコールによって、約1時間
     に渡り、授業や行事の機能は麻痺し、児童たちは教室の中で、被告らの怒号に怯え続けて
     いた。
      被告らの限度を超えた怒号に、周辺一帯は騒然とし、京都府警南署の警察職員が出動
     し、被告らを制止するまでの騒ぎとなった。
      なお、被告らは、街宣活動の中で、京都市緑地管理課から勧進橋児童公園の使用許可を
     受けているかのように述べているが、事後に原告が確認をしたところ、京都市からはその
     ような許可を出した事実はない旨聞いている。
    (エ) 原告は被告らの街宣活動によって、児童らに対する授業や行事を継続することが困難に
     なり、また被告らを放置することは原告や児童らにとって危険であると判断した。そのた
     め、原告の教職員は授業や行事を中止し、やむなく校門の内側で、被告らの街宣活動に対
     応することを余儀なくされた。また、交流会で第一初級学校を訪れていた第二初級学校、
     第三初級学校及び滋賀朝鮮初級学校の児童は、当初午後1時30分に各校に帰る予定であ
     ったが、午後2時過ぎまで、第一初級学校の建物内に留まらざるを得なかった。3年生の
     児童の中には、直接被告らに声をかけられた子らがおり、その子らは、その後、顔をこわ
     ばらせて教室に戻り、教室に着くや否や火が付いたように泣き出した。その子らが泣き出
     したことにより、恐怖感が教室内に伝染し、泣き出す子が続出して、教室内はパニックに
     陥った。教員からみて「この子は気が狂ってしまうのではないか」と思うほど激しく泣い
     た子もいた。
   ウ 児童への影響
     被告らの行為により、児童の中には、甚大な恐怖感を味わい、深い心の傷を負って、この
    日を境に夜泣きや腹痛を発症したり、父母に対し「学校に行きたくない」「学校に行っても
    運動場には出たくない」などと述べるようになった者もいる。
   エ 学校・父母らへの影響
     第一初級学校の教員は、児童を護るために緊急会議を開き、オモニ会・アボジ会(以下
    「父母会」という。)と連携して、被告らの予期せぬ行動に備え、児童の登下校時に、毎
    日、学校付近の見回りを行うこととした。
     また12月4日以降、被告らの所属会員あるいは支援者と見られる不審な人物が、たびた
    び、同校の周辺をうろついて、学校内部を窺ったり写真撮影をしたりする姿が確認されてい
    る。そのため、学校の校門には、毎日休み時間毎に、教職員が立って警戒に当たるなどして
    いる。
     このように、被告らへの対応のため、原告側の業務の負担が過大なものとなっている。
   オ 動画のアップロード
     被告Hは、同日の行動の一部始終をビデオ録画し、数日後、「ニコニコ動画」などの動画
    サイトにアップロードした。
  (2) 平成22年1月14日の被告らの行為
   ア 予告
     被告在特会は、平成22年1月7日、被告在特会のホームページ上に、以下のような行動
    予告文を掲載し、閲覧者に対して第一初級学校に対する街宣活動への参加を呼びかけた。
     「1・14 朝鮮学校による侵略を許さないぞ!京都デモ 子供を盾に犯罪行為を正当化す
    る不逞鮮人を許さないぞ! 朝鮮人犯罪を助長する犯罪左翼・メディアを日本から叩きだ
    せ!」「平成21年12月4日、主権回復を目指す会・関西支部との合作である、「勧進橋
    児童公園奪還作戦」はその後、メディアも取り上げる事件として問題提起することが出来
    た。しかし、メディアの取り上げ方は案の定、「社会の不満分子が少数民族の子供たちが通
    う学校へ集団暴行、民族差別」である。これでは三国人の宣伝省ではないか。差別者として
    放映された一民間人の人権と言うものは全く置き去りである。このような連中に人権を語ら
    せては断じていけない。そして自分達の悪業を棚に上げ、ひたすら涙、涙の被害者面で事実
    を捻じ曲げようとするあたりは、不逞鮮人の伝統芸能である。我々は受身になるつもりは一
    切無い。道理を楯に徹底的に邁進します。約50年にわたり児童公園から日本の子供たち
    の笑い声を奪った、卑劣、凶悪民族から公園を取り戻す為に行動を起こします。」
     「【最新情報】1月6日/生中継URL、開始時間追加【日時】平成22年1月14日
    (木)14:20集合 14:40デモの趣旨と注意事項を説明開始時刻15:00出発
    【集合場所】京都市南区上鳥羽勧進橋町23 勧進橋児童公園集合【最寄駅】地下鉄烏丸線
    十条駅徒歩3分 京阪 鳥羽街道駅」
     「【主催】在日特権を許さない市民の会 京都支部主権回復を目指す会関西支部  【共
    催】在特会大阪支部/和歌山支部/滋賀支部/兵庫支部」【連絡先】在特会京都支部」
   イ 当日の街宣活動(甲5参照)
    (ア) 平成22年1月14日の街宣活動に参加した被告及びその特徴
      被告A(迷彩色の帽子)
      被告B(主権回復を目指す会 被告I所有の別紙自動車目録記載の自動車(以下「本件
     自動車」という。)に長時間乗車して演説)
      被告F(作業着の上に白のコート、冒頭で演説)
      被告E(ブルーグレイの長いダウンジャケット)
      被告D(黄色のヘルメット、黒の長いジャケット)
      被告C(七生報国のはちまき、冒頭で演説)
      被告G(茶髪ロングヘアーの女性、本件自動車に乗車)
      被告H(動画撮影者)
      なお、以下、1月14日の記載において「被告ら」という場合は、上記8名ほか当日の
     参加者をさす。
    (イ) 被告ら及び支援者ら合計約30名は、前述の予告のとおり、平成22年1月14日午後
     2時20分ころ、第一初級学校の南に隣接する勧進橋児童公園に集結した。
      同日の被告らの街宣活動については、事前に京都府警南署が把握し、約10台の警察車
     両、約100名の警官が出動し、第一初級学校の周囲を厳重に警備したため、被告らが同
     校の門前に直接近寄ることはなかった。
      しかし、被告らはその後、第一初級学校の周辺道路を、拡声器を取り付けた本件自動車
     に先導させた上気勢を上げながらデモ行進し、大音量で「不逞な朝鮮人を日本から叩き出
     せ。」、「日本の子どもたちの笑い顔を奪った卑劣、凶悪な朝鮮学校を我々日本人は決し
     て許さないぞ。」、「北朝鮮の工作員養成機関、朝鮮学校を日本から叩き出せ。」、「戦
     後この朝鮮人は治安が整っていない時期に、なめたことに、旧日本軍の、陸海軍の飛行服
     を身につけ、土地の不法侵奪、金品略奪、強姦、銀行襲撃、殺戮、警察襲撃など、暴れま
     くったんです。」、「朝鮮人として、その自分の土地として勝手に登記し、現在に至って
     いる。」、「朝鮮学校、朝鮮学校と言いますがこれはただ自分たちが学校という名前をつ
     けただけであって、何ら我が国の認可を受けた学校でも何でもない。」、「ここに働く括
     弧付き教師についても単なる北朝鮮のもっとも優れた工作員である。教師とは縁もゆかり
     もない学校の名に値しない。教師の名に値しない。」、「スパイの養成機関、日本人拉致
     の養成機関、朝鮮学校を解体しろ。」、「朝鮮人を保健所で処分しろ。」、「犬の方が賢
     い。」などと1時間余りにわたって怒号のような街宣活動をなし、シュプレヒコールをあ
     げるなどした。被告らの怒声は、同校内部にまで轟き渡るもので、とても児童に聞かせら
     れるようなものではなかった。
      被告らの過激な街宣活動は学校周辺に混乱を生んだ。被告らと周辺住民との間で小競り
     合いも発生し、騒然となった。また、被告らは、被告らのデモの警戒にあたっていた同校
     の教職員らにも怒鳴りながら近寄ろうとして何度も警察官から制止されるなどし、現場の
     混迷の度合いを深めていた。
      同日の被告らの街宣活動の具体的な様子は、甲5号証の通りである。
    (ウ) 同日、第一初級学校では、5限目まで通常通りの授業を行い、放課後にはサッカー・ド
     ッジボール等の運動クラブや勉強の指導を行う予定であった。しかし、前述の予告を受
     け、原告は当初予定を変更して、同日は児童を学校外に避難させざるを得なかった。
      具体的には、高学年と低学年については、平成22年1月14日の授業のうち午前の2
     時限だけを学校で行い、午後は、低学年については滋賀県の琵琶湖博物館に、高学年につ
     いては万博記念公園に、課外授業としてそれぞれ出かけた。幼稚班は他の学校に行って保
     健の授業を行った。
      児童らも、なぜその日課外授業に行くのかということを幼いながらも理解しており、学
     校に帰る時間が近づくと、教職員に「まだ(被告在特会は)学校にいるの。」などと不安
     げに尋ねたりしていた。
      他方で、第一初級学校では被告らの行動に対する厳戒体制が敷かれた。児童らは避難し
     ていたものの、教職員が学校内に詰めるなどして、警戒に当たった。
      このように、被告らの街宣活動を受けて、原告は業務運営の予定変更、警備等の物理
     的、心理的負担を余儀なくされた。
      もし、これらの措置が執られなければ、同校の児童らは、平成21年12月4日と同様
     の恐怖と悲しみを味わうところであった。
   ウ 動画のアップロード
     なお、被告Hは、同日の行動の一部始終を、ビデオ録画し、「ニコニコ動画」などの動画
    サイトにアップロードした。
  (3) 平成22年3月28日の被告らの行為
   ア 予告
     被告在特会は、平成22年3月16日、被告在特会のホームページ上に、下記の行動予告
    文を掲載し、閲覧者に対して第一初級学校に対する街宣活動への参加を呼びかけた。ここ
    に、解散場所たる勧進橋公園とは、第一初級学校の南に隣接する公園である。なお、後に集
    合時間は15時に変更された。
                  記
    在日無年金・朝鮮学校不法占拠を許さないデモ行進 
    年金無加入なのに年金を寄こせという「在日無年金問題の解決をめざす会・京都」の不逞朝
    鮮人と公園を不法占拠している朝鮮学校に対して、それを正す行動に出た在特会・関西、主
    権回復を目指す会・関西を道理も無く排外差別主義者だと宣伝する筋の通らない全ての反日
    分子を許さない!
    【日時】 平成22年3月28日(日) 12:30集合 13:00出発
    【集合場所】 京都市南区東九条東岩本町北岩本児童公園(希望の家カトリック保育園東隣)
    解散場所 勧進橋公園
    ※デモコースの距離は1.5キロ
    【主催】主権回復を目指す会・関西
    【協賛】在日特権を許さない市民の会 京都支部
    【問い合わせ】 在特会京都支部問い合わせメールzaitokukyoto@gmail.com
   イ 平成22年3月24日付け仮処分決定
     原告は、平成22年3月19日、京都地方裁判所に、被告在特会、被告主権回復を目指す
    会ことB及び被告Aを債務者として、街宣活動禁止等仮処分を申し立てた。同月24日、原
    告の主張をすべて認めた仮処分決定が発せられた。
     上記仮処分決定は、3月24日、一般報道された。
     原告は、上記仮処分決定の写しをすみやかに京都府警南署に持参し、デモ参加者らに仮処
    分決定の内容を知らしめ、十分な警備をするよう要請した。
     なお、上記仮処分決定については、被告Aに対しては平成22年3月28日までに送達さ
    れており、被告Cも、本人のブログ上において、事前に仮処分決定の存在を知っていた旨自
    認している。また、被告Fも、遅くとも3月28日の街宣行為スタート時には、新聞を読ん
    で知っていた旨述べていた(甲6 動画の冒頭)。また、3月25日、仮処分決定は被告在
    特会のホームページ上の掲示板において話題になり、平成22年3月28日の街宣活動に参
    加する被告在特会のある幹部は「正直、痛くも痒くもないですね。」などと反応していた。
     このように、デモ参加者らは、平成22年3月28日の凱旋活動開始前に、仮処分決定の
    存在を十分認識していた。
     なお、後日には上記仮処分決定の債務者らに対して、違反1回あたり100万円の仮払金
    の支払いを命じる間接強制決定が発令された。
   ウ 当日の街宣活動(甲6)
    (ア) 平成22年3月28日の街宣活動への参加者及びその特徴
      被告A(カーキ色の上下、拡声器を携帯)
      被告B(被告I所有の本件自動車に乗車し、最も長い時間発言した)
      被告F(和服、短く刈り込んだ頭)
      被告C(七生報国の鉢巻き、研究者用白衣)
      被告E(白いコート)
      被告G(茶髪ロングヘアーの女性、本件自動車に乗車)
      なお、以下、3月28日の記載において「被告ら」という場合は、上記6名ほか当日の
     参加者をさす。
    (イ) 被告らは、同日午後3時30分ころ、北岩本児童公園を出発し、デモを開始した。主に
     本件自動車に取り付けられた拡声器を使って大音量でスピーチしていたのは被告Bであっ
     たが、被告らを含む他の参加者は、これを制止するでもなく、各々これを煽り、あるいは
     援助助長する怒号をあげる等していた。
      被告Bは、本件自動車に乗車し、前述の仮処分命決定の街宣行為等禁止区域に入っても
     なお、本件自動車に取り付けられた拡声器を用いて、大音量で「朝鮮学校は、学校ではあ
     りません。」「みなさん、日本の文部省の認可を受けていない、ただの任意団体、この任
     意団体に、なぜ我々が税金を払って、教科書無償、をする必要があるか。」「ゴキブリ、
     ウジ虫、朝鮮半島へ帰れー。」「くやしいくやしい朝鮮人は、金正日のもとに、帰れ
     ー。」「京都をキムチの匂いに、まみれさせてはいけない。」「ゴキブリ朝鮮人、とっと
     と失せろー。」「日本に差別され、くやしい、くやしい朝鮮人は、一人残らず、朝鮮半島
     に帰れー。」等の発言を繰り返した。
      被告らのデモ隊は、第一初級学校北側門扉中心部から約100メートルに位置するロー
     ソン烏丸久世橋店の駐車場に差し掛かり、住民らとのもみ合いが激しくなり、警官隊に警
     告を受けて初めて、デモの終了を宣言し、それ以上第一初級学校に近づくことをやめた。
   エ 別働隊
     なお、同日同時刻ころ、被告在特会らによる差別に反対する集会が円山公園音楽堂で開
    催されていたことに関連し、被告在特会及び被告B(主権回復を目指す会)は、デモ隊を
    2手に分け、1つは第一初級学校近辺、1つは四条河原町近辺に配備させた。被告D、被
    告Hらは、このうち四条河原町近辺でデモ活動を行い、原告や第一初級学校、ひいては在
    日コリアンに対する誹謗・中傷の街宣活動を行った。
   オ 動画のアップロード
     なお、被告らによる同日の行動は、ビデオ録画され、動画サイトの「ニコニコ動画」な
    どの動画サイトにアップロードされた(甲6)。被告Hは、四条河原町付近でのデモ活動
    の様子を動画サイトの「ニコニコ動画」などの動画サイトにアップロードした。
     また、被告在特会は、平成22年3月28日の街宣活動終了後に、自己のブログに、今
    後とも原告に対する攻撃を継続する旨の記事を掲載している(甲7)。
   カ 平成22年6月4日付け仮処分決定
     なお、平成22年6月4日には、被告C、被告E、被告D、被告F、被告Iらは、京都
    地方裁判所から街宣活動等の禁止を命じる仮処分決定を受け、その後当該仮処分決定の債
    務者らに対して、違反1回あたり100万円の仮払金の支払いを命じる間接強制決定が発
    令された。


posted by こるむ at 00:00| 裁判資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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