2013年01月16日

本日12:30〜 京都地裁


直前で申し訳ありません、本日16日、第16回口頭弁論の集合と開廷の
時間は以下の通りです。傍聴支援をどうかよろしくお願いします。

今回は、朝鮮学校の保護者が証言に立ちます。
みなさま傍聴にお越しください。
そして、切実な訴えをぜひお聞きください。

●日時:1月16日(水) 
13時30分開廷/集合時間 12時30分

●場所:京都地方裁判所前広場<東側>集合

※法廷が満席になる可能性があり、事前に傍聴券の抽選がある予定です。
抽選券の配布時間は、12時30分からです。
12時30分には裁判所玄関前の広場の、<東側>に集合してください。
傍聴券配布の有無・配布時間は、 http://www.courts.go.jp/kengaku/kyoto.html
  でご確認ください。裁判は101号法廷で行われます。
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2012年11月26日

ご案内 シンポ「マイノリティが標的とされる現在」12月9日@同志社


在特会などによる京都朝鮮第一初級学校襲撃事件に関連して、
以下のシンポジウムが12月9日(日)同志社大学にて開催されます。

襲撃事件に関与した在特会などの構成員を被告とする民事裁判は、
京都地裁大法廷にて在特会会長や事件の中心的人物の尋問を先日終え、
年明けからの原告学校側の証人尋問ののち、結審の予定です。

本シンポジウムは、裁判が終盤を迎えるに当たって、
「差別・襲撃・バッシング」行為が常態化し、それが市民による
基本的人権の行使だとさえ声高に叫ばれるこの日本社会の、いま現在の
ありようをみつめるための機会として、企画されました。

一人でも多くの方々のご参加をお待ちしております。
どうかよろしくお願いします。

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【転送・拡散歓迎】

シンポジウム 「マイノリティが標的とされる現在」
 〜京都朝鮮学校襲撃事件から
  差別・襲撃・バッシングの社会をみつめる〜

2012年12月9日(日) 13時30分〜
(13時開場、16時30分終了予定)

同志社大学・今出川キャンパス 明徳館1階・M1教室
(申込み不要・参加費300円)

【プログラム】
第1部 京都朝鮮学校襲撃事件裁判の経過
 〜被告尋問を終えて〜
 弁護団・裁判を支える会より

第2部 現場からの報告
 〜とまらない差別攻撃・「襲撃」のいま〜

金 明秀さん「ナショナリズム、民族問題」
(関西学院大学社会学部教員)
南 和行さん「性的マイノリティへの差別問題」
(たんぽぽ総合法律事務所・弁護士)
生田武志さん「野宿者襲撃、生活保護バッシング問題」
(野宿者ネットワーク代表)

第3部 ディスカッション

<シンポジウム趣旨>
京都の朝鮮学校に対する襲撃事件裁判は、2010年9月から、15回の
口頭弁論を数えてきました。この間私たちが目にしたのは、人種主
義にもとづく過激な差別攻撃を「表現の自由」や「市民運動」と主
張してはばからず、生活の不満や不遇の責めを躊躇なくマイノリティ
へ結びつける被告たちの姿であり、そのような露骨な排外主義が日
本社会に充満し常態化していく事態でもありました。

マイノリティや社会的弱者が、なぜいま、これほどまでに、執拗な
ヘイトスピーチ(憎悪発言・表現)やバッシングの標的とされ、種々
の暴力にさらされるのか。その根底にあるものをみつめることは避
け得ないとの思いは、いや増すばかりです。

そこで、来春に裁判の結審を控え、学校襲撃事件にとどまらず、民
族問題、性的マイノリティへの差別、ホームレス襲撃、生活保護受
給者バッシングなど、差別攻撃を陰に陽に受けることを強いられ続
ける現場からの報告を受け、差別が「市民の権利」とされるような
倒錯した社会の到来に抗するために、私たち一人ひとりにできるこ
とを話し合う場を持ちたいと思います。

※主催者の判断により入場参加をお断りする場合があります。
主催:「マイノリティが標的とされる現在」シンポジウム実行委員会
問い合わせ:実行委員会メールアドレス antiracism2@mail.goo.ne.jp

【会場へのアクセス】
京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅@B番出口すぐ。
京阪電車「出町柳駅」から、今出川通を西へ徒歩約15分。
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2012年09月21日

9月22日 ピョンヤンで、見た!考えた!対話した! 〜日朝友好京都ネット訪朝団 学術報告会〜


直前で申し訳ありませんが、明日22日(土)開催の企画のご紹介です。
平壌宣言から10年をふまえ、とても充実した内容の報告会です。ぜひご参加下さい
(主催:日朝友好京都ネット http://www5d.biglobe.ne.jp/~tosikenn/kyotonet.htm

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ピョンヤンで、見た!考えた!対話した! 〜日朝友好京都ネット訪朝団 学術報告会〜
http://www.news-pj.net/event/pdf/0922-1.pdf

日時 2012年9月22日(土)13:00開場、13:30開会〜17:00閉会 ※懇親会17:30〜
場所 同志社大学今出川校地新町キャンパス尋真館21教室 
※アクセス http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.html 

内容 
― 開会の挨拶
― グループごとの訪朝報告1<13:40〜>
@国際関係 報告者:綛田芳憲(北九州市立大学)
A新聞放送学 報告者:浅野健一(同志社大学)
B思想および文化社会 報告者:小倉紀蔵(京都大学)
C経済 報告者:林宏茂(中国西安交通大学大学院)
▲質疑応答

― 休憩
― グループごとの訪朝報告2<15:10〜>
@考古学(朝鮮古代史) 報告者:井上直樹(京都府立大学)
A文化人類学 報告者:板垣竜太(同志社大学)
B朝鮮近現代史 報告者:庵逧由香(立命館大学)
▲日朝間の渡航をめぐる問題
▲質疑応答

― 総合講演「平壌宣言から10年 学術訪朝団の意義と課題」<16:25〜>
 講演者:水野直樹(京都大学)
▲日朝学術研究会(案)についてアピール

― 閉会の辞

― 懇親会 ※会場 渓水館(新町キャンパス内の南側)1階会議室<17:30〜>

参加費(資料代)  一般:1000円 /大学生以下の学生(院生含む):500円 

開催趣旨
2009年3月に結成された「文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット」(略称:日朝友好京都ネット、水谷幸正会長)は、これまで計3回の代表訪朝団を主催・実施するのみならず、会員の方々による訪朝団が組織されるよう促進するなど、日本と朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)との様々な市民交流による友好親善が進展するようにしてきた。この度の訪朝団(4月27日~5月5日)には総勢58名が参加し、友好親善を基礎に、人文科学・社会科学の諸分野において朝鮮側の研究者・専門家(研究機関含む)らとの文化・学術交流を果たした。この訪朝で得られたものを市民に還元し、日朝友好についてともに考える場を持つため、学術報告会を開く。

日朝の国交正常化実現をめざして2002年に締結された平壌宣言から、今年で10年目となる。平壌宣言の履行は未だに誠実になされていないばかりか、日本による対朝鮮経済制裁も延長され、日朝の国家レベルでは対話が基本的にストップしたままの状態である。ただ、最近は、朝鮮領内で亡くなった日本人の遺骨の返還問題について、日本のメディアが取材のため平壌入りしたり、日朝赤十字会談の実施が決まるなど、日朝間のコミュニケーションが再開されようとしている。このような変化は、今次の訪朝団のように民間交流が絶え間なく続けられてきた流れの中に位置づけられよう。今回の学術会議が、訪朝で得られた成果や課題を日本の国内世論レベルで共有し、非正常な関係を転換していくひとつのきっかけになることを望む。

近年、東アジアの国際情勢は刻々と変わりつつある。朝鮮半島を見ると、朝鮮では金正恩国防委員会第一委員長を中心とする“新体制”が発足し、韓国では4月にセヌリ党の圧勝で総選挙が終わり、12月の大統領選挙に耳目が集まっている。東アジアにおいて重要なプレゼンスを持つロシアでは政権交代が行われ、これから起こる米国・中国での政権交代に世界が注目している。ヨーロッパではフランスでも新政権が誕生した。2012年は国際政治の地殻変動が起こる “スーパーイヤー(super year)”である。

このような中で、日朝の国家間の関係が“停滞”状況に陥っていることは由々しき事態であり、東アジアの平和体制構築のためにも早急に打開しなければならない案件となっている。そのためには、まず両国が継続した対話を行わなければならない。コミュニケーションの積み重ねなくして信頼醸成・友好関係は生まれない。

本報告会では、今次の訪朝団に参加した研究者・市民による成果を共有し、大きな変化を遂げている朝鮮の現状を報告することで、日朝間に横たわる様々な課題を解きほぐすためための視点を提供し、日朝国交正常化推進の転機を探ることを目指す。

主催 文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット(略称:日朝友好京都ネット)
電話・ファックス 075−752−1055 /info@niccho-kyoto.net
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2012年09月08日

事件関連書籍のご紹介

本朝鮮学校襲撃事件に関連する書籍のご紹介です。

石埼学、遠藤比呂通編『沈黙する人権』(法律文化社、2012年5月)
・・・・・・・・・・・・・・
『人権の定義・語り自体が、人間を沈黙させる構造悪であることを指摘し、
根底にある苦しみによりそい、その正体に迫る。日本社会の差別の現状を批判的に分析。
人権〈論〉のその前に。(出版社ウェブサイト書籍紹介文抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・
本書第7章「ヘイトクライムと人権――いまそこにある民族差別」(執筆・金尚均)と、
エピローグ「人権・その根源を問う」(執筆・遠藤比呂通)にて、在特会らによる京都
朝鮮第一初級学校襲撃事件について論じられています。

(書籍紹介ウェブサイトリンク)
http://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03431-1
http://chosonsinbo.com/jp/2012/06/0604ib/
http://www.jicl.jp/now/ronbun/backnumber/20120611_01.html

このほか、
前田朗『ヘイトクライム―憎悪犯罪が日本を壊す』(三一書房労働組合、2010年)
http://union31.blog15.fc2.com/blog-entry-1.html)、
安田浩一『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(講談社、2012年)
http://g2.kodansha.co.jp/279/280/15166/15167.html
といった、本事件を扱った、一般書店でも比較的容易に購入できる貴重な書籍と合わせ読まれることで、
排外主義・人種主義のレトリックに依存する剥き出しの差別言論・行為を、「表現の自由」「市民活動」と
いかにももっともらしく糊塗して表出することに駆られずにはいられない者たちの諸相が、読者に
も反省的に伝わることと思います。

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関連事件判決 奈良・水平社博物館差別街宣事件


この間、在特会らによる徳島県教組書記局襲撃事件(2010年4月14日)、
そして奈良県の水平社博物館に対する差別街宣事件(2011年1月22日)では重要な動きがありました。

奈良の事件では、6月25日に奈良地裁にて、水平社博物館に対する名誉毀損の損害賠償150万円の
支払いを被告に命じる勝訴判決が下されました(被告控訴せず)。
この判決は、被告が差別街宣をインターネット動画サイトに投稿し、広く市民が視聴できる
状態においた点を重視しており、従来の名誉毀損事件にくらべて賠償額が非常に重いもので
あることから、京都での裁判所の判断にも大きな意義をもつと考えられます。

徳島の事件では、襲撃を行った在特会ら19名が名誉毀損の罪では不起訴となったことについて、
徳島検察審査会は約11ヶ月の審理を経て6月21日、「不起訴不当」の議決をしました。
この議決も、襲撃行為をインターネット上で動画配信し不特定多数の人々に閲覧させたことや、
犯行後も被害者に対する誹謗中傷を継続したことをとらえ、「被害者らが受けた精神的苦痛は大きく、
被害感情も峻烈である」との判断をしています。
また、現段階では19名は「起訴」とはなっておらず、公訴時効が来年3月に迫っているため、
検察への働きかけが必要でもあります。

以下では、奈良県の水平社博物館に対する差別街宣事件の判決文を掲載します。

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慰謝料請求事件
奈良地方裁判所平成23年(ワ)第686号
平成24年6月25日民事部判決
口頭弁論終結日 平成24年5月7日

       判   決

原告 公益財団法人A(変更前の名称 財団法人B)
同代表者代表理事 C
同訴訟代理人弁護士 古川雅朗 小城達 上羽徹 福本佳苗 小椋和彦 内橋裕和
被告 D


       主   文

1 被告は,原告に対し,150万円及びこれに対する平成23年9月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを20分し,その17を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,1項に限り,仮執行することができる。


       事実及び理由

第1 当事者の求めた裁判
1 請求の趣旨
(1)被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成23年9月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2)訴訟費用は,被告の負担とする。
(3)仮執行宣言
2 請求の趣旨に対する答弁
(1)原告の請求を棄却する。
(2)訴訟費用は,原告の負担とする。

第2 事案の概要
1 本訴請求
 本訴請求は,被告が,原告の開設する博物館の前で,原告の名誉を毀損する言動などをして,原告に慰謝料1000万円の損害を生じさせたと主張して,原告が被告に対し上記慰謝料及びこれに対する訴状送達の翌日から民法所定の利率による遅延損害金の支払を求めたものである。
2 判断の前提となる事実
 以下の事実は,争いのない事実,顕著な事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によって認めることができる事実である。
(1)原告及び水平社博物館
 原告は,部落問題及び水平社運動に関する調査研究を行うとともに,関係史料及び文化財を収集及び保存し,併せてこれらを一般に公開することにより,人権思想の普及と啓発に資することを目的として平成10年4月1日に設立許可を受けた財団法人Bが,平成24年4月1日,名称を変更して移行した公益財団法人である。
 財団法人Bは,平成10年5月,前記目的のため,奈良県御所市aに水平社歴史館を設立及び開館した。なお,水平社歴史館は,平成11年4月1日,水平社博物館に名称を変更した。(顕著な事実,甲第1,第11号証,弁論の全趣旨)
(2)被告
 被告は,「E」(以下「E」という。)の会員であり,執行役員,関西地区担当副会長兼大阪支部長を務めている。Eは,在日韓国人,朝鮮人の特別永住資格の廃止を主唱する団体である。(争いのない事実,弁論の全趣旨)
(3)水平社博物館の展示
 水平社博物館は,部落問題及び水平社運動等に関する常設展示をするとともに,テーマを設定して特別展示及び企画展等を開催している。
 水平社博物館は,平成22年12月10日から平成23年3月27日までの間,企画展として「コリアと日本―韓国併合から100年」と題する企画展示をなした。(争いのない事実,甲第2,第4,第6,第12号証)
(4)被告の言動
 被告は,平成23年1月22日午後1時過ぎから,水平社博物館前の道路上において,ハンドマイクを使用して,次のとおりの演説をした。そして,被告は,上演説の状況を自己の動画サイトに投稿し,広く市民が視聴できる状態においている。
「なぜここでこうやってマイクを持って叫んでるかといいますと,この目の前にある穢多博物館ですか,非人博物館ですか,水平社博物館ですか,なんかねえ,よく分からんこの博物館」「強制連行された女性の中には,慰安婦イコール性奴隷として軍隊に従属させられ,性的奉仕を強いられた人もいましたと,こういったことも書かれておりますねえ」「慰安婦イコール性奴隷と言っているんですよ,こいつらはバカタレ。文句あったら出てこい,穢多ども。慰安婦。性奴隷。これねえ,すごい人権侵害ですよ,これ。性風俗産業ね。自分が性風俗産業で働くのが大好きだと,これが天職だと,喜んで働いている女性に対して人権侵害なんですよ,これ」「この水平社博物館,ド穢多どもはですねえ,慰安婦イコール性奴隷だと,こういったこと言ってるんですよ。文句あったら出てこいよ,穢多ども。ね,ここなんですか,ド穢多の発祥の地,なんかそういう聖地らしいですね。」「穢多やら非人やらいうたら,大勢集まって糾弾集会やら昔やっとったん違うんですか。出てこい,穢多ども。何人か聞いとるやろ,穢多ども,ここは穢多しかいない,穢多の聖地やと聞いとるぞ。出てこい,穢多ども,おまえらなあ,ほんまに日本中でなめたマネさらしやがって」「ここでそういうことやったら,なんか大勢人間がね,集まってきて囲まれて,なんか大変なことになるということをね,ちょっと事前に聞いてね。あまり,こう,平穏に街宣ができるとはちょっと思ってなかったので,あまり何を言うか考えてこなかったんですけど」「いい加減出てきたらどうだ,穢多ども。ねえ,穢多,非人,非人。非人とは,人間じゃないと書くんですよ。おまえら人間なのかほんとうに」「穢多とは穢れが多いと書きます。穢れた,穢れた,卑しい連中、文句あったらねえ,いつでも来い。」(争いのない事実,甲第3号証,弁論の全趣旨)
3 争点
(1)被告の不法行為の成否
ア 原告
 被告は,原告に対し,穢多博物館,非人博物館と蔑称を投げ付けるとともに,その関係者らに対し公然と口頭及び拡声器を使用して「ドエッタども,出てこい。」などとの挑発的言動を意図的になした。これは,前代未聞の差別事件であり,穢れ多き人々,人間外の人々が邪な目的を持って原告を設立し,原告が邪な社会的活動を行っている,そして,そのような邪な目的の下で「コリアと日本―韓国併合から100年」の企画展示をなしていると主張して,公然と事実を摘示し,基本的人権を普及し,啓発を旨とする原告の名誉を著しく毀損する言動を被告が行ったものである。しかも,被告は,上記言動の一部始終を自己の動画サイトに投稿し,全国の人々に流布させるべく試みている。その発言内容とともにその伝達方法からして,被告の行為は原告に対する悪質極まりない差別行為というべきである。
イ 被告
 否認する。穢多及び非人は蔑称ではなく,これを述べた被告が不当な差別をしているものではない。また,被告は挑発的な言動をしたことはない。被告は,原告が「コリアと日本―韓国併合から100年」の展示企画において誤った歴史認識を展示していることから,これを指摘したものにすぎない。 
(2)原告に生じた損害の額
ア 原告
 原告は,平成10年5月1日水平社歴史館を開館して以来,部落差別の撤廃,人権思想及び基本的人権の普及及び啓発に尽力し,日本国内外から既に25万人を超える人々が水平社博物館を参観し,全国水平社発祥の地,日本の人権のふるさととして親しまれている。このような原告の名誉ある活動に対し,被告は,水平社博物館の前で,穢多博物館又は非人博物館などと蔑称を何回も投げ付けて,その名誉を著しく毀損し,あまつさえ,そのような差別行為をインターネット上で動画として全国に発信するなどの極めて重大な挑発行為を公然と仕掛けてきたものである。
 原告は,被告の上記言動により社会的及び精神的損害を被り,これに対する慰謝料は1000万円が相当である。
イ 被告
 知らない。

第3 当裁判所の判断
1 被告の不法行為の成否
 前記第2の2(4)で判示したとおり,被告は,原告が開設する水平社博物館前の道路上において,ハンドマイクを使用して,「穢多」及び「非人」などの文言を含む演説をし,上記演説の状況を自己の動画サイトに投稿し,広く市民が視聴できる状態においている。そして,上記文言が不当な差別用語であることは公知の事実であり,原告の設立目的及び活動状況,被告の言動の時期及び場所等に鑑みれば,被告の上記言動が原告に対する名誉毀損に当たると認めるのが相当である。
2 原告に生じた損害の額
 前記1で判示した被告の不法行為となる言動はその内容が原告の設立目的及び活動状況等を否定するものであり,しかも,その時期,場所及び方法等が原告に対する名誉毀損の程度を著しくしていることなどの事情に鑑みれば,被告の不法行為によって原告に生じた有形,無形の損害は相当大きなものであるといわざるを得ず,これに対する慰謝料は150万円が相当である。
第4 結論
 以上によれば,原告が被告に対し民法709条,710条に基づき損害1000万円及びこれに対する不法行為後の日である平成23年9月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める本訴請求は,損害150万円及びこれに対する平成23年9月11日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,これを認容し,その余は理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条本文を,仮執行宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。
奈良地方裁判所民事部
裁判官 牧賢二

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